海外製の高級スポーツ自転車が盗まれたり、
分解された車体の一部がインターネットで転売されたりするケースが最近目立つ。
被害に遭った京都市の男性を取材し、ネット転売の実態を追った。
西京区の団体職員三輪芳和さん(34)は10月15日、
中京区でイタリア製の競技用自転車(価格60万円)を盗まれた。
スポーツ自転車専門店の駐輪スタンドに無施錠で止めていて
約10分後に戻ると、愛車はなくなっていた。
専門店の客からインターネット上に自転車盗難の情報交換サイトがあるのを教わり、
同日夜に情報提供を呼びかけた。
2日後。
同じ車種がフレーム、タイヤ、部品一式に分解され、
買い手を募っているとの書き込みが大手掲示板に見つかった。
出品者の写真には自ら施した特別装備も確認できた。
すぐにメールで連絡を取り、フレームを買い取った。
車体番号は削られ、購入証明書の番号と照合できな かったが、
自分で張ったシールの跡はあった。
三輪さんは
「犯人は転売する自転車がないか専門店前で探していたのだろう。
愛車を分解されるのは許せない」
と憤る。
出品者はどのような経緯で自転車を入手するのだろうか。
記者は11月2日、三輪さんに販売した京都府南部に住む男性に取材した。
「今年の夏にネットで中古品を2万円で購入した」
こう証言したが、購入先を問うと「知らない」と言葉を濁した。
「届いた自転車には防犯登録がなかったの で盗品かもしれないと怖くなった。
乗らずに解体して売った」。
三輪さんが自分の自転車と断言していることは「分からない」と答えた。
京都府警によると、府内で確認された自転車盗は昨年1万985件。
業界団体の自転車協会(東京)の調査では、
昨年のスポーツ自転車の国内出荷台数は約8万8千 台で10年前より倍増し、
普及に伴い被害も増加しているという。
価格の中心は10~25万円だが100万円を超すタイプも珍しくない。
協会関係者らの話では、転売目的の盗難も多く、
分解するのはパーツ単体でも高値で売れ、
所有者を特定しにくくする狙いがある。
盗みや分解、転売を分担する組織的な犯行もあるとみられる、という。
「盗まれた自転車がタイに送られていた」
「ワイヤロックを専用の刃物で切られた」。
情報交換サイトには手がかりを求める被害者の声が続々と投稿されている。
中京区の「シルベストサイクル京都店」の山中功店長(35)は、
「スポーツ自転車はもともと競技用のため鍵をかける習慣がなく、
上級者ほど見た目を気にし て施錠しない傾向がある。
警報装置や車体にマークを付けるなどの予防策に加え、
まちなかの駐輪場整備も必要だ」と指摘する。
【 2010年12月03日 13時46分 】